ケアマネージャーの仕事の1つに退院支援があります。退院支援ではケアマネジャーが迅速かつ、適切に対応できるかがスムーズな在宅復帰へのカギとなります。たとえば、利用者の希望が自宅へ戻ることだったとしても、家族は不安から別の病院へ転院を希望することもあります。その際、ケアマネジャーは病院からの情報提供を受けて在宅でも受けられる医療についてわかりやすく説明できるよう準備をしておくことが大事です。訪問診療や訪問看護でどのような医療を提供してくれるのか、どのくらい費用がかかるのかまで把握しておきます。

また、在宅療養支援診療所や訪問看護ステーションなどの地域の社会資源の情報や知識も必要です。加えて、医療サービスだけでなく在宅で生活するための介護サービスや経済的な負担の説明もできるように準備しておきます。その上で、自宅で医療、介護サービスを受けながら生活することのメリットとデメリットを説明します。仮に利用者やその家族の不安感が大きければ、転院や老人保健施設などでリハビリテーションを受けてから在宅復帰するという選択もあるのです。在宅での生活をイメージしやすいように説明を行い、利用者や家族が自己決定できる支援をすることで、ケアマネジャーに対する信頼感も高まります。

また、利用者の希望を尊重し、家族の不安や負担を軽減する支援が求められています。対応に自信がなくても、それは恥ずかしいことではなく、事業所の先輩や地域包括支援センターに相談する等困った時の相談先を確保しておくことも大事です。